第1部 考え方編 信頼結婚の教科書|1-6

成婚はゴールじゃない

この章では、婚活の出口にあたる「成婚」の捉え方の話をします。ここの捉え方ひとつで、婚活の進め方も、結婚してからの毎日も、まるごと変わっていきます。

「成婚さえできれば」と思っていませんか

😊「成婚さえできれば、あとは自然と幸せになれると思っていた」

🥺「結婚がゴールに見えて、婚活そのものがしんどい」

婚活をしていると、どうしても成婚がゴールに見えてきます。お見合いを重ねて、交際に進んで、プロポーズ。道のりが長いぶん、成婚を「上がり」だと感じてしまうのは自然なことです。

でも、正直にお伝えします。成婚はゴールテープではなく、スタートラインです。結婚は「この人と仲良く生きていこうね」という約束をした地点にすぎません。ふたりの本当の暮らしは、そこから始まります。

流れで結婚した、1度目の私

これは、まさに1度目の私の話です。

当時の私は「結婚をゴールにするぞ」と強く思っていたわけでもありませんでした。付き合って、同棲もして、これといって決定的な別れにつながる事件も起きない。だったら、そのまま結婚するのが当たり前なのかな…そんな、流れに乗るような感覚だったんです。

でも今振り返ると、これも立派に「結婚をゴールにしていた」状態でした。ここまで来たんだから結婚、と考えて、その先の二人をどう育てていくかは、まったく考えていませんでした。

暮らしを共にすると、少しずつ違いが出てきます。お金のこと、子育てのこと、休日の過ごし方、言葉のかけ方。流れで結婚した私は、その違いが出てきたときに、二人で乗り越える方法を何も持っていませんでした。なんとなく始めた結婚は、なんとなくでは続けられなかったんです。

結婚してからのほうが、いろいろ起きます

ここで、あまり語られない事実をお伝えします。乗り越えることの数でいえば、婚活中より結婚後のほうがずっと多いんです。

結婚は、もともと見ず知らずだった二人が、ひとつ屋根の下で暮らしていく営みです。お金のこと、仕事のこと、お互いの親のこと、子どものこと。婚活中には出てこなかったテーマが、結婚してから次々にやってきます。

そのとき、夫婦で意見が違うと、家の中でそれぞれが一人ぼっちになってしまうんです。二人でいるのに、どちらも孤独になってしまう。これが、結婚生活のいちばん寂しい形だと私は思っています。

だからこそ、婚活のうちから「結婚してからも二人で信頼を育て続ける」という前提を持っておいてほしいんです。

成婚をゴールにしないと、婚活の質が変わります

成婚をゴールにすると、婚活は「いかに早くゴールテープを切るか」のレースになります。減点がなければ次へ進み、条件が揃えば決める。でも、そうやって信頼を築く時間を持たなかった二人は、暮らし始めてから「こんなはずじゃなかった」に出会います。

成婚をスタートラインだと捉えると、婚活の時間の意味が変わります。お見合いから交際までの時間は、相手の話を深く聞いて、自分の気持ちを言葉にして、違いを二人で乗り越える練習の期間になります。この練習をした二人が、結婚した後も話し合える夫婦になっていくんです。

1-1でお伝えした「婚活はトレーニング」という考え方は、ここにつながっています。婚活で積んだ練習は、成婚した瞬間にいちばん価値を発揮するんです。

信頼が育っていれば、離れていても穏やかです

今、私の夫は北海道に単身赴任をしています。物理的には、離れて暮らしているんです。

それでも、日々は穏やかです。近くにいるかどうかよりも、二人のあいだに信頼が積み上がっているかどうかのほうが、ずっと大きいと感じています。成婚をゴールにして、そこで関係づくりを止めてしまっていたら、この穏やかさはなかったと思います。

結婚してからも二人で信頼を育て続ける。その前提さえあれば、暮らしの形が変わっても、揺らがない土台が残るんです。

この章のまとめ

  • 成婚はゴールテープではなく、「仲良く生きていこうね」と約束したスタートラインです
  • 流れやなんとなくで始めた結婚は、違いが出たときに乗り越える方法がありません
  • 乗り越えることの数は、婚活中より結婚後のほうがずっと多いんです
  • 成婚をスタートラインと捉えると、婚活は「話し合える二人になる練習期間」に変わります
  • 信頼が育っていれば、暮らしの形が変わっても穏やかでいられます

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